プラザセレクト三谷浩之さんインタビュー「100年続く生活総合支援企業を目指して」

経営者のビジョン
この記事は5分以内で読めます。
取材は2021年9月に行いました。

「Re:高松」編集長のオーシカです。

香川・徳島を拠点に、戸建住宅の販売や不動産投資事業を展開している株式会社プラザセレクトさん。同社の代表取締役社長・三谷浩之さんに、インタビューをしてきました!

 

なぜ今回、取材をお願いしたかというと、プラザセレクトさんが掲げる『100年続く生活総合支援企業』という経営理念を掘り下げて、読者の皆さんにお届けしたかったから。

プラザセレクト流の『生活総合支援企業』とは、住宅を入口に、生活に関わるあらゆるサービスを、地域で暮らす人に提供するというものです。要は、住宅はもちろん、食べるものも生活用品も服もなにもかもが、ワンストップでサポートされる未来。

 

オーシカ
オーシカ

想像するだけで便利そう! あっちこっち買いに走ったり調べたりしなくていいわけですからね。

 

『生活総合支援企業』という理念については、三谷さんの著作をレビューした下記の記事でも触れています。

 

本記事では、上の記事や著作からもう一歩踏み込んで『生活総合支援企業』のあり方についてお聞きしていますので、ぜひ楽しんで読んでいただけるとうれしいです!

『生活総合支援』という付加価値で、お客様に選んでいただく

―『生活総合支援企業』とはつまり、いますでに展開されている住宅のほか、小売や食品といった異業種にもチャレンジしていく、ということですよね。普通は「別の業界は別の業界」と考えてしまいがちですが…

 

多くの企業にとってほかの業種に手を広げるきっかけは、事業規模を拡大していくなかで売上や成長が頭打ちになったから、“手段として”というところだと思うんです。

で、よくあるのは、会社が多方面に展開していくなかでセクショナリズムが生まれて、他人がどんな仕事をしているか分からない。情報の行き来がない。そんな、閉鎖的な感じになってしまうこと。

 

こうなるのはある種、仕方のないことだと思います。私も会社員時代に経験しましたし。

だからこそ自分が会社を作るんだったら、初めから『生活総合支援企業』という軸があることで、事業と事業が有機的につながり、社内的にも情報の行き来がある形にしたかった。これこそが後発の強みだとも思いますね。

同社の住宅ブランド「リラクス」。「1,000万円台で高品質・オシャレな土地付き新築住宅を手に入れる」がコンセプト

『ハード』だけを売り続けるのは難しい

―プラザセレクトさんは2015年創業ですよね。起業当初から、そんなスケールで物事を考えていたなんて。

 

いや、最初から崇高な想いがあったわけではないんですよ(笑)。会社員時代も住宅不動産の会社に勤めていて、手前味噌ですが、営業成績は優秀だったと思います。

それでも、営業マンを続けていくなかでずっと感じていたのは、「ずっと売り続けるのは難しい」ということ。この営業人生が永遠に続くのかと考えると、「しんどい」という思いがあったんです。

 

―ああ、僕も営業マンだったので分かります。終わりがない感じ。

 

プラザセレクトを立ち上げる前から、「『ハード』だけで戦い続けるのは限界がくるな」と感じていました。すごく極端な話ですが、住宅はどこが作っても同じなんです。

 

簡単にいえばメーカーから設備機器、プレカット会社から構造材を仕入れてきて、それらの材料を使って職人さんに現場で作ってもらうのが住宅建築。

職人さんの腕の良し悪しと、選択する材料の良し悪しで住宅の質が変わります。

乱暴な言い方をすれば、物理的にはお金を出して良い腕と良い材料を揃えれば、どこでも良い家を作ることはできます。

 

そうすると、住宅という『ハード』だけで勝負し続けていくと、お客様はいわゆる大手のブランドで買うか、とにかく安いものを買うかという二極化しかないと思ったんですよね。

生活全般を支える事業を増やしていきたい

―ハード目線である限り、ジリジリと企業体力が削られていくだけですよね。

 

そう。一方で、生活全般を支える事業がたくさんある会社になれば、「プラザセレクトで家を建てる理由になる」と考えました。

たとえば、「両親が高齢になってきたから家をバリアフリーにしてもらおうか」といった相談に乗れたり、養護施設やケアハウスを当社が手がけていたら、それも紹介したりできますよね。小学校に上がったお子さんをお祝いしようというタイミングで、当社が運営しているレストランを案内してもいい。

 

あらゆる『生活総合支援』を手がけていることが、お客様に選んでいただける『ソフト』=付加価値になります。ずっとお付き合いさせていただくことで、お客様の生活が楽に・豊かになる。そんな未来を作りたいと思っています。

社員と地域を生かすための理念でもある

―生活に関わるあらゆるサービスを提供することで、社員さんが働く場も多様化しますよね。

 

まさにそうなんです。ここまでお話したのは、『生活総合支援』が持つ外向きのメッセージ。内向きのところでは、社員を生かしたいという想いもあります。

会社員時代にも部下がいましたし、社内で関連する人だって何人もいました。長く仕事をしていると、辞めていく人も目にするんですよね。

 

会社を辞める人の多くが、私から見たら「もったいないな」と思う人ばかりでした。頑張っているけど、結果が出ない。うまくいかないから辞めてしまう。でも、その人が本当に能力がないのかというと決してそうじゃなくて、「向いていない」ことの方が多かった。

プラザセレクトがいろんな事業をしていれば、そういう人が適材適所で輝ける場を作り、生かすことができるだろうと。「向いていなくて辞める」という人を、手が届く範囲でいいから減らしたいと考えたんです。

三谷さんをはじめ社員さんがリレー形式で書いているブログ「DAYS」。会社としての活気を感じます。

 

―お客様も社員さんも「生かす」ための『生活総合支援』なんですね。

 

お客様が選ぶ理由にもなるし、社員を生かすことにもなるし、サービスを充実させることで地域そのものが活性化するきっかけにもなれば、と思います。

「家を1つ建てて終わり」にしないために

―住宅って、「建てられてからが一生のお付き合いの始まりです」といわれることが多いと思うんです。でも、そうはならない現実もあると考えていて。

 

住宅メーカーも数えきれないほどの顧客を抱えていますしね。地域の人ひとりひとりに関わり続けていくのは、難しいと私も感じます。

だからこそ当社では、たとえばレストラン事業のような「場づくり」を通して、住宅で関わりを持ったお客様と繋がり続けられるような仕組みを作っていきたい。家を建ててからずいぶん経って当時の営業マンが分からなくなっても、レストランに行ったら家に関わるお悩みも聞けるような。

 

―確かに、10年、20年前に建てたとか、親の代に建てたといった家だと、お客様の立場ならなかなか頼りづらいですよね。

 

ええ。接点を持ち続ける仕組みは大事だと思いますね。人生の節目節目でお客様のお役に立てる会社であればいいな、と。「そういえばプラザセレクトが◯◯をしていたよね」というように、どこかお客様の記憶に残っている状態が私の理想的な姿です。

暮らす人の生活が見える住宅コンセプト

―プラザセレクトさんの住宅商品から、『子どもが成長できるプレ1人部屋のある家』が第15回キッズデザイン賞を受賞されました(2021年8月)。ホームページで住宅を見ると、「自分がいま子どもだったら喜ぶだろうなあ」と鮮明にイメージが浮かびました。住宅のイメージはどのように考えているんですか?

 

“ノリ”を大事にしていますね。『プレ1人部屋のある家』は当社の看板である低価格帯住宅ブランド「リラクス」の1つ。ですが、先ほどもお話したようにただ安いだけだと価格勝負になって、当社としてはうまみがありません。自分たち自身が、面白くないですしね。

 

リラクスは、「値頃感があるんだけど、1本なにか、筋が通ったコンセプトがあった方がいいよね」というところからスタートしました。

 

「子ども部屋を与える前の練習スペースがあったら、親子が楽しく過ごす時間が増えるだろうな」「屋上庭園があったら楽しそうだな」「よし、やってみようぜ」みたいな。

気兼ねなく喋っているなかで生まれるアイデアを、形にしている感じです。パートさんの何気ないひと言から生まれた物件もあるくらいですよ。

 

―そのブレスト、参加してみたいです(笑)。

 

みんながみんなしかめっ面して頭を抱えながら考えるのって、逆にアイデアが浮かばないんですよね。楽しい家を作ろうとしているんだから。“ノリ”や思いつきを素通りさせない空気にするのが、経営者としての腕の見せ所でもあります。

「他社で飯が食える人材になれ」

―『生活総合支援』を実現するためには、事業を横断できるような能力を、社員さんが身につける必要がありますよね。人材育成という面では、どうお考えですか?

 

私は社員に「他社で飯が食える人材になれ」とよく伝えるんです。営業マン一人が住宅の営業も土地活用の営業もできる。技術者だったら、設計もできるしリフォームもできる。あるいは、経理もできればマーケティングもできる、みたいな。

どこでも飯が食っていけるくらい、価値のある人材になって欲しいということです。一人が二役でも三役でもこなせる土壌を作りつつ、仕事1つひとつを限りなく合理化して、同じ時間のなかでさまざまな成果を上げられるようにしていく。これは創業当時から力を入れていることですね。

Instagram5,900フォロワーは1人の社員の力

―事業の1つの軸として情報発信メディア「にある」を運営されていますが、頻繁に更新されていて驚きました。自分もこの「Re:高松」を運営しているので、発信し続けることの大変さは分かります。

 

「にある」の運営は、まさにマルチキャリアの1つですね。広報の担当社員が、経理総務やブランディング業務をしながら、運営してくれています。それに、「にある」のInstagramアカウントのフォロワーは、5,900人いるんですよ(2021年9月時点。6,000フォロワー目前!)。

香川・徳島の生活情報メディア「にある」

 

―スゴいですね!

私は細かく「こうやって」なんて言ってないんですよ。広報担当の社員が、自分の力で伸ばしていったんです。

「他社で飯が食える人材になれ」なんていうと「社員が流出したらどうするの?」と外部から言われたりもします。ただ、自信もスキルもどんどん持って欲しいし、「それでもプラザセレクトで仕事をしたい」と思ってもらえる会社にするのが、私の仕事ですね。

長い目で仲間を増やすためにやっていること

―優秀な人材が1人でも増えることは、長い目で見たら「地域の生活を多様に支援する」ことにつながると思います。三谷さんはnote(※)で頻繁にご自身の仕事観について発信されていますよね? あれは、社員さんには見せているんですか?

※note…ブログのようなコンテンツメディア

 

いえ、一切(笑)。見てるかもしれませんが、「見て」とは言っていません。自分の考えを残しておくために始めたもので、読んでプラスになると思った人が読んでくれたらいいな、というスタンスです。

長期的に見たら、もっともっと仲間を増やしていきたいし、noteを通して自分の価値観と合う人が集まってきてくれたらいいな、という想いで書いています。

noteは、起業と仕事のコツを自身の経験と経営者目線で語るコンテンツ。僕も愛読しています

目的はブレず、余裕を持つこと

―著書『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』は、僕も感銘を受けた1冊です。「仕事に余裕を作る」といった一節がありましたが、前述の“ノリ”と繋がってくるんでしょうか?

 

ええ。先ほどもお話したように、アイデアのゼロ→イチの部分って、一生懸命頭を抱えて考えるほど出ないと思っていて。誤解を恐れずにいうと、「遊び」の延長線上くらいの感覚が大事だと考えています。「余裕」といってもいいかもしれません。

 

―精神的な余裕がアイデアを生む、ということでしょうか?

 

そうですね。会話を楽しんだり、行ったことのない場所に行ったり。なんらかのサービスを体験したり、お客様と仕事の垣根を超えてお話したり。

会社で「遠足」に行ったりもしますが、通常業務とは別の時間を共有することで、より親密な空気も生まれます。そうしたなかから、何かが生まれたらいいな、と。

 

―なるほど…でも言うは易しで、そういった空気感を作り出すのって難しいと思います。僕も会社員だったので、憧れる部分がありますね。

 

やはり原点である『生活総合支援企業になる』という目的が、しっかり浸透しているからなんでしょうね。ブレストみたいなことも然りですが、極端な話、目的さえブレていなければ、成果までのアプローチは結構自由だし、会社に出勤する・しないも自由にしています。「余裕」を見失わないで欲しいから。

「結果的にそうなる」を大事にしていきたい

―「余裕を持つ」ということは、固定概念にとらわれずに発想を広げ、なおかつ真剣に仕事のプロセスに向き合っている状態のように感じます。精神的なゆとりがないと、やはりいい仕事はできませんから。

 

プロセスさえ正しい方向で進んでいれば、「結果的にうまくいく」と考えています。正しいプロセスを踏んで社員がお客様に喜んでいただける商品を作り、それを正しく発信して正しく社会に発信していけば…結果的に売上も利益も増える。

「結果的にそうなる」です。プロセスを重視したいからこそ、余裕が必要なんですね。社員が常に余裕を持ってプロセスに集中できるよう、仕組みを合理化していくのが私の仕事で。

 

―著書で「営業はいらない」と書かれていました。これも、「結果的に売れる」プロセスを作っているから、売り手からしつこく売り込まないということでしょうか?

 

そうですね。『ハード』勝負で永遠に営業に駆け回り続けるというのは、やりたくなくて。今、市場でこんな商品があったらお客様に喜んでもらえるだろうな。こんな値段だったらお買い求めしやすいかな。じゃあ値段と質がマッチする商品を具体的に形にするには? って考えていくんです。

ここが企業努力の手を抜けないところだと思います。リラクスのホームページも見ていただきましたが、どうやったらお客様に商品によって得られる未来を受け取ってもらえるか、プロセスを真剣に考えています。

 

―そうすれば、結果的にお客様が来てくれる、と。

 

はい。お客様に「売る」じゃなくて「買っていただく」というのを目指しています。だから情報発信にも力を入れていますし、気になって問い合わせていただいて、そこから住宅の魅力をお伝えして、気に入っていただければ「買っていただく」。

そこまでのプロセスには妥協はしません。が、しつこく追いかけるのではなく、「結果的にそうなる」が、プラザセレクトとお客様との理想的な関係だと考えていますね。

取材後記

三谷さんは同郷で若くして起業され、増収増益を地で行く、僕も憧れの経営者さんの1人です。

ここではお伝えしきれなかったお話もたくさんありますが、お話を聞いていて感じたのは、お客様・地域・社員の「三方よし」。もちろん地域密着の企業すべてが目指していることだと思いますが、本当に真剣に考えられていました。

 

起業のコアにある『生活総合支援企業』という言葉が、まさに三方よしを意味するものだから。

住宅を入口に、生活に関わるあらゆるサービスが得られる未来。家で困ったことがあったら、プレザセレクトレストランに行ったついでに、相談もできる。

 

オーシカ
オーシカ

プレザセレクト共通通貨とかもできるのかな(笑)。

 

ワクワクしますね!

 

プラザセレクトさんのホームページでは、「これでもか」というくらい充実した、住宅に関わる情報が掲載されています。三谷さんや社員さんが書かれているブログ「DAYS」を通して、人となりに触れることも。

こちらもぜひ、チェックしてください!

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