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「Re:高松」編集長のオーシカです。
夢を持ち、この香川県で起業したいと思っているー。
けれど、「これ、自分じゃなくてもいいんじゃないか?」「替えがきく事業しか思いつかない」というあなたへ。
オススメの本、見つけましたよ!
徳島・香川を拠点に『生活総合支援事業』の実現を目指す、株式会社プラザセレクト・三谷浩之さんの著作『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』。
なにしろ僕オーシカ自身、起業を目指していて、とても感化されました! 同じ高松出身の方だから、親近感も。
“カルピスの原液”という考え方があります。
カルピスの原液を媒介に、ジュースやソーダ、お酒にさえできるように。ブレない自分のコア(核=信念や理念)があれば、他人に替えなんてきかないし、あわゆる形で、世に役立つ仕事を生み出すことができるんですよね。
(「ポケモン」という原液が、ゲームだけじゃなく、エンタメ全般に波及しているように)
原液とは、ブランド。
起業家である三谷さん自身が大切にされている、ブランドを作るということ、そして他者が真似できない「自分の仕事を作る」ための考え方が、余すところなく書かれています。
今回はそんな三谷さんの著作を、「起業を目指す方」向けにレビューしていきますよ!
株式会社プラザセレクトについて
株式会社プラザセレクトは、2015年創業。代表取締役社長が、今回ご紹介する本の著者・三谷浩之さんです。
徳島〜香川を基盤に、住宅不動産を中心とした事業を展開されています。
高松市内でちょくちょく看板を見かける「戸建プラザ」は、プラザセレクトの看板商品の1つ。
※株式会社プラザセレクトHPから引用させていただきました
『今から100年続く生活総合支援事業』という構想のもと、住宅不動産事業のほか、徳島〜香川の地域情報を発信するメディア「にある」の運営なども。
三谷さんが著作のなかで「住宅を入口に、地域の生活全般に関わっていきたい」と語られているように、今後どんな事業で僕ら住民をワクワクさせてくれるのか、楽しみな企業です(^^)
「何をするか?」より、「どういう未来を見せる事業を作るか?」
先に触れた『今から100年続く生活総合支援事業』というキーワードが、プラザセレクトの、そして三谷さんの目指す未来であり、企業のコア(核)。
それを実現するための経営理念が本書では詳しく語られていて、プラザセレクトが展開する商品・サービスにも、社員教育にも、あらゆる面で浸透していることが、読んで理解できます。(徹底ぶりが、スゴい…!)
「人は自分が思った通りの人間になる」と、よく言われます。
自分で自分を「年収400万が妥当」なんて思ってしまったら、本当に年収400万円しか得られない。
でも…自分がなんとしてでも実現したい信念・想いを持ち、『ゴールに旗を立てて』行動していくことが、自分の理想を手にするためには大切なはずですよね。
プラザセレクトでは、『お客様の「にこっ」を集める』を事業のスローガンにされています。
「この人と出会えてよかった」「この人に仕事をお願いしてよかった」と思ってもらえるように、日々笑顔を集めることを目標に、取り組んでいく。
「何をするか?」より「お客様にどういう未来を見せるのか?」が、『今から100年続く』仕事を作るための土台になるんだな、と考えさせられます。
みんな「何をするか?」ベースで考えすぎなんだよね!
僕自身の戒めでもありますが、人間ってどうしても「自分には何ができるんだろう?」「何をすべきだろう?」と、考えてしまいますよね。
できること目線、というか。
けれど、モノも情報もあふれかえった現代。
一定水準を超えればスキルや技術そのものに差なんてなくて、「誰が」「どういう未来のために」作った商品なのか? やっている仕事なのか? が、モノを選ぶ基準になっています。
住宅不動産事業を展開している企業は、この小さな香川〜徳島においても、プラザセレクト以外にも無数にあるはず。
しかし、「住宅を入口に、地域の生活全般に関わっていきたい」という想いを持ち、その実現に向けて走っている企業は、ないと思います。
先にご紹介した地域情報メディア「にある」では、三谷さん自ら、地元のプロフェッショナルたちを取材する企画を、担当されていたりします。
※株式会社プラザセレクトHPから引用させていただきました
こうした理想実現に向けた姿を見せてくれるからこそ、事業に共感し、応援したくなる。
きっと家を買うときも、「にこっ」とさせてくれるんだろうな。その先の生活も、ワクワクさせてくれるんだろうな、って。
いつになるか分からないけど…僕、ここで家、買おうと思いました笑
本書のなかでも、「自分たちに共感してくれるお客様を集め、徹底的に満足させていく」というようなことが、書かれています。
「何をするか?」より、「どういう未来を見せる事業を作っていくか?」。
これこそが、他人には真似のしようがないブランドになっていくんだと、強く感じさせてくれました。
三谷さん自身のコア(核)は、「出会えてよかったと思ってもらえる仕事をする」ことだそうです。
あなたのブランドになっていくであろうそれは、いったいなんでしょうか?
達成できたであろう自分の姿をイメージし、振る舞う
ここまでで十分感じていただけたと思いますが、著者・三谷さんが事業をされるうえでもっとも大切にしているのは、経営理念。
必要とされる価値の創造を通じお客様と社員の物心両面の豊かさを追求します。
これを実現するためのスローガンが「『にこっ』を集める」であり、「『にこっ』の欠ける事業や仕事はいらない」だと、書かれています。
でもでも、
起業したいよ〜
理念やスローガンを持つのは大事だと思うけど、これから起業しようっていう人間が、それをいきなり高々と掲げられるもの? 白い目で見られない?
なんて声が、聞こえてきそうですが…
「小さな企業でも大企業のように振る舞え」だそうです。小さな企業=個人と言い換えられますよね。
これ、めっっちゃ大事な心の持ちようだと思います!
お客様、ビジネスパートナー、頼りにできるメンターや先輩。
お互いがお互いをとことん尊敬できて、共感しあえる人たちを集めていくのが、長く続く仕事の秘訣だと、僕もいろんな人から教わりました。
「人は自分が思った通りの人間になる」と書きましたが、自分が縮こまっていては、相手に不安を与えたり、「パートナーとしてふさわしくない」と思われたりしてしまいます。
お客様にとっては、僕やあなたが、個人や小さな企業であることは関係がないわけで。
これも本書で書かれていたことですが、ゴールを『決めて』、そこに到達すべく『狙いにいく』。そして、到達するために、達成できたであろう自分の姿で振る舞う。
振る舞うためには揺るぎない自信も必要ですが、だからこそ自分が大切にしたいコア(核)を明確にすべきなんだと思います。
自分で自分を知る
プラザセレクトの社内文化で「面白いなあ」と思ったのが、毎週社員を集めて行われるという、経営計画書の勉強会。
経営計画書に書かれていることを三谷さんが読み上げ(表現を変えながら、繰り返し)、社員に意見を求めるというものです。
社員が会社を知る、理解する。言い換えれば、自分で自分の仕事を知る、ということですよね。
僕たちはじっくり考える機会を持とうとしないと、自分で自分のことすら知らないものです。
こうした習慣を持つことは個人レベルでも生かせますし、成長すればまた、より深く・具体的に自分のことを理解できるんじゃないかと思います。
営業はいらない? お客様を知ること
「答えはお客様のなかにある」という言葉も、ほんっとうに同感。
お客様が来店されたら、
✔️ なぜ問い合わせをしようと思ったのか?
✔️ チラシを見て来られたのか?
✔️ HPがきっかけだったのか? どういうキーワードを検索したのか?
を、社員につぶさに聞かれるそうです。
たとえば、「検索」=知りたいことや悩みを解決するためにする行為ですから、お客様が使うキーワードが分かれば、適切に、お客様の未来を実現する商品作りができますよね。
もちろん見せ方や発信の仕方を考える必要はありますが、人が本当に必要なものを買い求めようとするとき、営業はいらないはず。
営業に追われるという悪い仕組みを作るのではなく、お客様を徹底的に満足させる商品ありき。
この考え方は、自分の仕事を作っていこうという起業志望の人こそ、持っていたいものだと思います。
いくら営業をしても、お客様にとって「いらないものはいらない」ですからね…
無駄を楽しみ、感性を磨けば、ブランドはもっと輝く
プラザセレクトでは、必ずしも顧客満足至上主義ではなく、まず社員満足。(そしてそれが社長の仕事だと)
自分がまず、暮らし的にも精神的にも余裕がなければ、いい仕事なんてしようがありませんよね。
いやあ、読んでいて、普通にここで働いてみたいと思いましたよ笑
起業して個人事業をやるにしても、自分に余裕がない状態は避け、いつでも「どっしり」構えられるくらいを目指したいものです。
加えて、積極的に『無駄を楽しむ』という考え方も、「なるほどなあ」と思わされました。
手間暇をかけるなかに発見がある
仕事の効率化・合理化は大事。でも、それによって生まれた時間に仕事を詰め込むだけでは…心身とも疲弊してしまいますよね。
三谷さんは社員に、「合理化によって生まれた時間を使って、積極的に無駄を楽しもう」と伝えているそうです。
無駄というのは、お客様に花をプレゼントしに行ったり、果物を届けに行ったり、社員同士で誕生日祝いをしたり、といった『楽しい無駄』のこと。
一見無駄に見える手間暇のなかに、新しい価値観やワクワクが眠っていることがあるからだ、と。
「答えはお客様のなかに」は、肩肘抜いて手間暇を楽しむからこそ、見えるものでもありますよね。緊張した状況では、お客様も言いたいことを言えないこともあるし。
三谷さん自身、住宅の引き渡し後には担当者と必ず、お客様を訪ねてお礼に上がるそうです。
商品の改善のヒントが得られるかもしれないし、まず間違いなく、お客様から喜ばれますよね。満足されたお客様が、また他の誰かにうれしいクチコミをしてくれることも、きっとある。
意識的に、手間暇を作る余裕と仕組み作りを心がけたいものです。
「カッコいい」を追求し、それに共感する人を集める
プラザセレクト流の『楽しい無駄』の最たる文化だと感じたのが、「カジュアルDAY」。
毎週木曜は、社員全員カジュアルな服装で出社されているそうです。
もちろんこれもちゃんと意味があって、
✔️ 社内的には、服を選ぶという活動を通して、感性を磨く
✔️ 対外的には、「オシャレでカッコいい会社」というイメージを醸成する
という目的で、行われていること。
理論的に考え、伝えることも信頼構築には必要だけれど、『感性』に訴えることも大事、という考えから。
感性を磨くという内部的な活動が、自然と対外的なイメージ作り=まさにブランド作りにも、つながってくるわけです。
そして自分たちなりの「カッコいい」を追求していけば、それに共感する人がまた、集まってきます。
ズボラはいかんなあ。。(←反省)
その人しか持ち得ない感性って、数値化できないぶん、人の感情にダイレクトに訴えかけるものがありますよね。きっと自分のコア(核)と関わってくるものだと思うので、あなたも改めて、見つめ直してみては?
※株式会社プラザセレクトHPから引用させていただきました
いったんまとめと、もう1つ、伝えたいこと
さてさて、長くなってきたので、この辺で一度要点をまとめますね。
僕はこの『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』という本、起業を目指す人にとっては、【自分のブランドを作るための実用書】というふうにとらえています。
そのために大切にしたい考え方を整理すると、
・「何をするか?」より「お客様にどういう未来を見せるのか?」。ブランドは真似されない、替えがきかない
・自分たちに共感してくれるお客様を集め、徹底的に満足させていこう。営業だけに頼らない、頼りにされるブランドを作ろう
・無駄を楽しみ、感性を磨き、ブランドを発展させていこう
これらって、システムで「ピッ」と組み込めるものではないですから、まずは自分のブランドを『今から100年続く生活総合支援事業』のように言語化させ、考え方から日々の取り組みにまで、浸透させるほかない。
でも浸透すれば、「あなただから」で選ばれる、強力な武器になると思います!
下請けではなく、ビジネスパートナー
最後にもう1つだけ、個人的にとても共感できたことをご紹介します。
三谷さんは「あなたに出会えてよかった」という原点を忘れないために、イチ企業の代表自ら、協力業者さんを労われることがあるそうです。
(お中元やお歳暮のタイミングで、贈り物を必ず、直接届けられているとのこと…!)
「下請けではなく、ビジネスパートナー」
思えば僕も、昔から同じ言葉を胸に秘めていました。
編集者をしていた頃、仕事をお願いするライターさんやカメラマンさんを、下請けではなくパートナーととらえていたし。
いま営業マンをしていますが、協力会社さんのことを必ずパートナーと呼んでいます。
「下請け」と口にするヤツは…好かん!
そこに上下関係は、本来ないはずなんですよね。自分にないから、パートナーから力を借りる。その対価として、感謝の証として、金銭を支払う。
気軽に人と人とのネットワークが作れる現代、能力すらも「シェア」して、みんなで社会課題を解決していく。
僕ら地方で暮らす人間だからこそ、そういった団結力が必要なんじゃないかと、強く感じます。そして自分自身、求められる状況があれば、積極的に能力を貸し出せる人間になりたいですね。
あなたは…どうでしょうか?
三谷浩之さんの著作、読むならこちらから!
今回ご紹介した三谷浩之さんの著作は、書店はもちろんAmazonからでも購入できます。
これから香川県で起業を目指す方、起業家の大先輩の実践談として、ぜひお読みになることをオススメします!
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『楽しく生きよう よく遊び よく働け 想いを形にする仕事術』
なお、今回は「起業を目指す人」に向けてレビューを書きましたが、本来は会社員向けに書かれているので、イチビジネスマンとしても、学べる内容満載です!
ではでは。
追記
著者ご本人からもお褒めの言葉をいただきました!
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