【四国グルメの見本市?】高松・福田町の「ぴかでり屋」でオリーブ和牛や讃岐もんじゃ焼きを堪能してきた!

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  • 情報は2023年5月時点のものです

「Re:高松」編集長のオーシカです。

今回は、高松市は瓦町のほど近く、福田町の居酒屋「ぴかでり屋」さんを訪れました。

ぴかでり屋は創業50年を迎える、高松市中心部でも老舗中の老舗です。同店を訪れた方々のレビューを見ると、

「繁華街から少し離れているように思ったが、充分に近い。四国の名物料理が揃っていてどれも美味しかった」

「県外からの客人を連れて行くのに最適なお店です。個室っぽい席なので過ごしやすくもあります。飲み比べセットなどもあるので、お酒好きにもよろしいかと」

「私が今回予約した目的は、『凱陣』を飲むこと! オリーブ牛を食べること!」

Googleマップより引用

という気になる声が。

そしてこの言葉の通り、香川のブランド牛・オリーブ和牛や隠れた絶品グルメ、名物地酒・凱陣(がいじん)などが堪能できる、一度だけではとてもじゃないけど楽しみきれないお店でした!

オーシカ

さっそく、レポートしていきたいと思います。

目次

ぴかでり屋へのアクセスと客層

ぴかでり屋があるのは、静かで落ち着いた飲み屋街・福田町。ことでん瓦町駅から徒歩約5分と交通の便がよく、電車を使える人は飲んで帰るのに便利な場所にあります。

香川料理ならぬ「四国の名物料理」をウリにするお店とあって、平日は会社帰りの人が県外のゲストを連れてきたり、出張で高松に来た人もよく訪れるそう。

丸亀町商店街やライオン通り商店街など、繁華街の中心部からは少し離れているとはいえ、十分に歩いて来られる立地。土曜・祝日は観光目的のファミリー客やカップルで賑わうということです。

そんなソトから高松に来られる方御用達のお店だけれど、地元民も十分に楽しめるお店です。

オーシカ

なぜならぴかでり屋は、地元でも珍しい“四国グルメの見本市”的お店だから!

創業50年。四国の代表的料理が勢揃い

ぴかでり屋は2023年で創業50年。もともと現オーナーのご両親が現在の高松三越近くではじめた、香川の郷土料理のお店がルーツです。

現在は、地元高松の食材を使った料理をはじめ、かつおのたたき(高知)・じゃこ天(愛媛)など、四国一帯の代表的料理が食べられるお店となっています。

「その土地で採れたものをその土地で消費するのが最高の贅沢」。お店のスローガンです

僕ら地元民も、地元にいれば地元のものは食べるけれど、「四国の料理」となればまだまだ知らない料理が多いはず。四国各県のいいところだけを“つまみ食い”する感覚で、利用してはいかがでしょうか?

瀬戸内近海のこだわり魚介は、このメニューの地図のように、どこで獲られたものなのかひと目で分かるニクい演出がなされています。

海の恵みたる産地に感謝して、料理を味わいたいものですね。

今回いただいた料理はこちら!

「四国各県の料理を」などと言いつつ、ついついいただいてしまったのは、やはり地元・香川の料理(笑)。しかし、地元にいてさえ知らなかった、隠れた名物グルメと出会うことができました。

讃岐もんじゃ焼き

来店した人の10人に7人は食べるという定番メニューが、この「讃岐もんじゃ焼き」(税抜980円・税込1,078円)。

オーシカ

はて? しかし香川に「もんじゃ焼き」なんてあったっけ?

実はこの料理、オーナーが子ども時代におばあさんが作っていたという家庭の味。

親戚が集まっては大勢でうどんを食べる…というのがかつての香川らしい光景でしたが、そのとき余ったうどんを野菜やエビなどに混ぜ、うどん粉で焼いていたのだそう。

そんな思い出の“うどん粉焼き“を再現したのが、この「讃岐もんじゃ焼き」です。

関東のもんじゃ焼きのように、土手はつくりません。焼いた生地がグツグツと沸いてきたら食べごろ。コテですくい取るようにしていただきます。口に入れると、アッツアツ!

いりこだしベースの生地は(まさにうどんの味!)、パンチがありながら、我々地元民にとってはとてもなじみのある味わいです。コリコリしたタコの食感が、良〜いアクセント。

1人でも1皿分をペロリと食べられちゃいました。

讃岐オリーブ和牛「厳選金印オリーブ和牛の霜降りロースステーキ」

ドドン!とやって来たのが、見目麗しい分厚い和牛、讃岐オリーブ和牛です。まるで芸術品のようなサシの入り方に、思わず見惚れてしまいました。

明治時代に小豆島で飼育がはじまった讃岐牛。島の恵まれた気候風土のなかで、さらにオリーブを飼料として長い年月をかけて改良されたのが、このオリーブ和牛です。

オーシカ

ぴかでり屋では、ただでさえ質の高いオリーブ和牛の“金ラベル”だけを使っているそうです…!

今回いただいたのは、和牛メニューの中でも最高級の「厳選金印オリーブ和牛の霜降りロースステーキ」(税抜2,980円・税込3,278円)です。

さっそく、鉄板で肉を焼いてみました。端々からやわらかく脂が溶けていくのがハッキリと見えます。その姿が、なんとも食欲をそそります。

サッと焼けてしまうので、表面を軽く焦がすくらいがベスト。新鮮な肉ゆえに、赤みがチラッと顔をのぞかせるくらいでちょうどいいそうです。焼きすぎにはご注意を。

添えられるのは、ポン酢・オリーブ塩・わさび。オリーブ塩からはオリーブの香りがほんのり漂い、わさびはツンとした辛さのない、素材を生かす味わいです。

それでは、いざ実食!

なんと、さらりとした甘い脂。噛むたびに脂が口いっぱいに広がるのですが、牛肉特有の脂臭さやクセはいっさいなく、純粋にジューシーな旨みだけです。口の中にまとわりつくような感じはなく、スーッと舌を抜けていきます。

個人的にはオリーブ塩とのペアに軍配。まろやかな塩の味わいが、オリーブ和牛の甘い脂をグッと引き立てていました。

オーシカ

普通の牛肉ならビールでも飲んで口の中をさっぱりさせたいところですが、もったいないくらい。しっかり、旨みの余韻に浸りました。

ちなみにメニューには、オリーブ地鶏とオリーブ豚もあります。オリーブの飼料で育てた、牛・豚・鶏の3種のコンビネーション。全部食べたいのはやまやまだけど、食べきれない! ということで今回は泣く泣く断念です。

骨付鳥

メニューにあるのなら、香川県民としてやっぱりこれは外せない(笑)! 「骨付鳥」(ひな・税抜980円・税込1,078円)。

のびのびと育った平飼いの鶏だけに、身がギュッと引き締まっているのが見るだけでも分かります。豪快にかぶりつけば、予想通りバツグンの弾力。コショウがやや強めに効いていて、後味がジワジワとスパイシーです。

これは定番のビールや、後述する「ご当地柑橘のハイボール」がベストマッチです。

添えられたキャベツもしっかり、オイルをすくい取っていただきましょう♪

凱陣利き地酒 厳選3種

香川県を代表する名物地酒「凱陣」(がいじん)を、贅沢に飲み比べできるセットをいただきました。

酒造さんの仕込みのタイミングによって入ってくる品種が変わるそうで、今回いただいたのは純米吟醸と純米大吟醸。(本来は3種あります)

目の前にお酒が置かれた瞬間、ふわっと芳醇な香りに包まれました。日本酒好きの方にはたまらない、うれしくて頬がゆるむ香りだと思います。

写真だと分かりにくいですが、精米の程度の違い1つだけでお酒の色が全然違います。純米大吟醸のほうが、やや赤みがかっているのです。神秘的…!

口に含んでみると、純米吟醸のほうがより香りが華やかで、甘みがあって女性好みの味わいです。

オーシカ

酸味があって締めくくりもほどよいですね。

一方の純米大吟醸は、果実を思わせる香りが淡く感じられ、飲み心地は爽やか。余韻はキリッとしています。お刺身の食べ合わせにいいのはこっちの方かな。

県外から、この凱陣を目当てにやって来る人も後を絶たないといいます。日本酒好きはこの飲み比べセットで「コレ!」というものを決めてからいただくのがセオリーだそうです。

その他のいち押しメニュー

今回はこれ以上お腹いっぱいでいただけませんでしたが、オーナーにお聞きしたその他のオススメメニューを一挙にご紹介します。

刺身のすり鉢5種盛

瀬戸内近海のお魚の盛り合わせです。お値段は税込1790円(税込1,969円)。

トラフグに勝るとも劣らない甘味が自慢のナシフグ、脂が乗った大アナゴ「べえすけ」など、普通の刺盛りにはないお魚を交え、すり鉢に豪快に盛られて運ばれてきます。

四国各地の郷土料理

これも香川の名物・醤油豆はもちろんのこと、愛媛・宇和島のじゃこ天、高知の茄子のたたき、徳島のフィッシュフライ(俗に言うフィッシュカツ)など、四国各地の郷土料理を一度に堪能することができます。

ご当地柑橘素材のハイボール

香川県で開発された希少糖を使った「希少糖ハイボール」、高知の名産の1つ・馬路村のゆずを使った「ゆずハイボール」、愛媛のみかんを使った「みかんハイボール」など、各県の柑橘類を贅沢に使ったハイボールです。

こってりした料理に合わせて飲むと、食が進みそうです!

その他、その日のオススメも

日替わりの限定メニューも豊富です。

僕が訪れた日は、まだ時期だった香川県産の巨大アスパラ・さぬきのめざめもありました。高知といえばコレ! かつおのたたきも気になります。

店内の様子

ぴかでり屋の店内は、まるで庶民のお屋敷のような作りになっています。

席は半個室風になっていてプライベート感があります
2階から1階を見下せば、なんともお屋敷的な風情がします
広々とした団体席。にぎわってお食事すると楽しそう!

店内からは、昔もっとにぎやかだった頃の高松の繁華街みたいに、明るい声がそこかしこから聞こえてきます。どこか懐かしい感覚を覚えます。

オーシカ

子ども時代によく“街”に遊びに来ていた頃を思い出して目頭が熱くなりました。

オーナーに話を聞くと、ぴかでり屋の「ぴかでり」は映画館のイメージから名付けたということです。「重いドアを開ければ夢の世界が広がるような体験をしてほしい」という願いが込められています。

県外から来られた方にとっては、香川の文化を体験できる場所としてもぴったり。「香川をデザインした男」として知られる和田邦坊氏の作品や丸亀うちわをはじめ、店内のそこかしこに文化遺産が飾り付けられています。

食を堪能しながら、ぜひ香川という地域の素晴らしさに触れていただきたいですね。

「四国料理を日本の日常食にしていきたい!」

現在、東京にも出店し四国料理を広める活動をしている、オーナーの水谷さんに話を聞きました。どういった想いで、お店を運営されているのでしょう?

水谷さん「子どもの頃から両親の仕事を手伝い、飲食1本でずっとやってきました。このお店は90年代のバブル崩壊の頃に引き継いだのですが、深夜までぎわっていた高松の町が元気をなくしていく姿を見て、何かできないか?と思ったんです」

大鹿「僕もうっすら、バブル前後の記憶があります。大都会・東京の夜にも引けを取らないくらい、夜でも街がにぎわっていましたよね」

水谷さん「ええ。引き継ぐ前はそれこそ私も手当たり次第に多店舗展開をしていたのですが、バブル崩壊を機に、『地に足をつけて、地域のいいものを見直そう』と思って。それで私の代で『四国料理』と銘打ってリスタートしたのがこのぴかでり屋なんです」

現在、東京・新橋のアンテナショップ「香川・愛媛せとうち旬彩館」内の飲食店でも、アドバイザーをされている水谷さん。東京に出てみて感じたことは?

水谷さん東京にいる四国出身者って、地元の人より地元愛が強いんです。お客さん自身が営業マンみたいになって、お連れ様に料理の説明をしたり、どんどん人を連れてきてくれたりします。故郷を知ってもらいたいという想いがあるのではないでしょうか」

大鹿「分かります! 僕も長年、東京で暮らしていましたが、帰省から戻るたびに職場の人に香川のおみやげを渡していました(笑)」

水谷さん四国の郷土料理が、日本中の日常食の1つになることが私の大きな夢なんです。ここ数年は、食べていただいたオリーブ和牛に惚れ込んでいて、もっともっとこれを広めていきたいと思っています」

大鹿「お恥ずかしながら、骨付鳥があるために香川=鶏料理という印象が強かったのですが、和牛も一級品ですね!」

水谷さん「地元びいきかもしれませんが、四国4県それぞれに和牛があるなか、香川のオリーブ和牛はダントツだと思います。ポリフェノールが豊富で体にもいいですし、女性の方にもおすすめです」

まだまだ、地元民さえ知らない美味しいグルメがいっぱいあるものだな、と素直に関心しました。ぴかでり屋は、懐かしい郷土の味と、隠れた名物の交差点となって、僕たちを楽しませ続けてくれると思います!

取材後記と店舗情報

実はオーナーの水谷さんが東京でアドバイザーをされている「香川・愛媛せとうち旬彩館」は、僕・大鹿がかつて営業マンとして働いていた職場の真近くにあります(笑)。

「東京の香川人は、地元民より地元愛がある」という言葉も、本当にその通りで。

オーシカ

お話を聞いていて、不思議なご縁を感じてしまいました。

地元民も観光客も、一度だけでは楽しみきれないお店、ぴかでり屋。週末の金土の夜は特ににぎわうそうなので、予約必須です!

ぜひ、足を運んでみてくださいね。

ぴかでり屋

  • 住所 香川県高松市福田町9-5
  • TEL 087-822-0091
  • 営業時間 17:30~22:00(LO21:00)
  • 定休日 日曜日
  • 客席数 全170席
  • ホームページ https://piccadilly-ya.com/

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